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弦楽器とピアノ
クラシック音楽の主役を担う楽器と言えばピアノ、そして弦楽器。とはいえ、ピアノも弦をハンマーで叩き共鳴させて音を出すということから考えれば弦楽器の仲間であり、「弦打楽器」と呼ばれます。ピアノを含めた弦楽器の歴史は非常に古く、紀元前3000年まで遡ります。ダルシマーという楽器がピアノのルーツと言われ、クラヴィコードやチェンバロに発展しいきます。そして、今から約300年前にピアノが誕生しました。ピアノは、誕生して300年ですので、かなり近代的な楽器と言えるでしょう。
弦楽器とピアノの楽器構造と演奏表現
ピアノとその他の弦楽器(バイオリン、チェロ、ハープなど)の決定的な違いとして、「発音と演奏」に関する楽器構造の違いが挙げられます。バイオリンなどの弦楽器は、発音技術と演奏技術をほぼ同列に考えることができるのに対し、ピアノは発音技術と演奏技術を別々に評価することができます。分かりやすく言えば、ピアノの場合「音の響きはいまいちだったけど演奏技術は素晴らしかった」という評価が可能ですが、弦楽器の場合では、発音技術そのものが演奏の評価につながります。これは楽器が持つ発音構造の違いに依ると考えられ、両者の大きな違いとなる部分です。
弦楽クラシックの名曲たち
【 無伴奏チェロ組曲 】
J.S.バッハの名曲中の名曲で、あらゆるチェロ曲の中でも最高峰の楽曲とされる。バッハ作品の中でも極めて評価が高く、フルニエやヨーヨー・マといった数々のチェリストが名演奏を残している。ちなみに、その名の通り一切の伴奏が入らないチェロの独創曲で、全6曲から成り立つ。チェロならではの低い音色が心地よく、ゆったりしたテンポと相まって、なんとも神聖な響きを持つ名曲である。
【 メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 】
ベートーベンとブラームスの作品と並んで「3大バイオリン協奏曲」といわれる独創的な楽曲。誰もが1度は耳にしたであろう独創的で美しい旋律は、まさにバイオリン協奏曲の女王と言っていいだろう。ロマン派を代表する弦楽曲である。楽器編成は、独奏バイオリン、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦楽五部から成り立つ。
ピアノを使ったクラシックの名曲たち
【 ショパン ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2 】
「ピアノの詩人」ショパンの代表曲であり、ショパンの特長である湧き出るような甘美な旋律が散りばめられた作品群である。邦訳では「夜想曲」と記され、散文詩的な甘美な旋律が特長。ショパンのノクターン全21曲の中でも最も有名なのがこの2番で、演奏が比較的に容易なことから、ピアノの練習用として子どもから大人まで親しまれている。
【 チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23 】
数あるピアノ協奏曲の中でも、ベートーベン、グリーグ、ラフマニノフらの作品と肩を並べる名曲。この曲の特長は、第一楽章の長大な序奏。この有名な序奏は以降、曲中に一切現れないという珍しい楽曲構成をとる。この作品は、演奏に高い表現力と技術力を必要とし、ピアニストならば1度はオーケストラをバックに演奏したい曲だろう。